「最近、合同会社ってよく聞くけど、株式会社と何が違うんだろう?メリット・デメリットをわかりやすく教えてください!
自分に合っているのはどっちなのかも気になります。どのように決めたらよいでしょうか。。」
こういった疑問に税理士がお答えします。
目次
そもそも合同会社とは?
合同会社(ごうどうがいしゃ)とは、日本における会社形態の一つである。アメリカ合衆国各州の州法で認められるLLC (Limited Liability Company) をモデルとして導入されたので、日本版LLCともいわれる。 合同会社のすべての社員は、株式会社の株主(=出資者)と同様に、会社の債務について有限責任である。
ウィキペディアより抜粋
出資と経営が株主と取締役に分離し、意思決定機関が事項によって異なる株式会社に対し、出資と経営が一体である持分会社は内部関係・意思決定手続の設計がシンプルであり、中でも合同会社は社員全てが有限責任であることから、新規設立が認められなくなった有限会社に代わって小規模事業の法人化に利用されることの多い会社形態となっている。会社法の施行によって最低資本金制度が撤廃され、株式会社形態で事業を法人化するハードルも相当に下がったが、設立そのもののコスト(法人登記費用)の面で合同会社に分がある(後述)。
まずは、 合同会社≒株式会社 と捉えましょう。
合同会社のキーワードは、「シンプル」と「低コスト」です。
合同会社と株式会社の違い、メリット・デメリットは?
合同会社のメリット
■設立費用が安い
会社設立費用は次の通りです。
合同会社…登録免許税6万円
株式会社…登録免許税15万円、定款認証手数料5万円
会社設立費用は、合同会社6万円、株式会社20万円 となります。
つまり、合同会社のほうが14万円安くすみます。
■決算公告義務がない
株式会社は、毎期、官報等に決算公告を行う必要があります。
合同会社は、決算公告が不要です。
決算公告費用は、合同会社0円、株式会社3万円程度となります。
つまり、合同会社のほうが年間3万円程度安くすみます。
■役員の任期がない
株式会社は、役員の任期というものがあります。任期が満了になった場合には、役員の変更登記を行う必要があります。
これに対して、合同会社は、役員の任期というものがありません。
合同会社…役員の任期がない=登記事項がない→お金がかからない
株式会社…役員の任期=登記事項→お金がかかる
登記費用は、合同会社は0円、株式会社は1万円です。
つまり、合同会社のほうが、お一人につき 1万円安くすみます。
■出資にかかわらず配当が自由
合同会社は、配当を定款に定めることによって「自由」に決められます。「自由」なので、株式会社と同様に出資に応じて配当することも可能です。
株式会社は、一株につき何円というように、株式(出資)に応じて配当されます。
■機関設計がシンプル
合同会社は、代表社員と業務執行社員のみで運営できます。 これに対して、株式会社は、規模が大きくなると取締役会や監査人、会計監査人などの機関が必要になります。
つまり、合同会社であれば機関がシンプルなため意思決定がスピーディにでき、かつ、設置機関に係る諸費用を削減できます。
■増資をした場合、資本金として計上しなくてよい
合同会社は、増資を資本金ではなく資本剰余金の増加として処理できます。
株式会社は、増資した場合、資本金が増加します。
※資本金の変動は会社の登記事項です。
合同会社… 増資=資本剰余金↑=登記事項ではない=お金がかからない
株式会社…増資=資本金↑=登記事項=お金がかかる
登記費用は、 増加する資本金の額 × 0.7%(最低3万円) となります。
この分、合同会社のほうが安くすむということです。
合同会社のデメリット
■認知度が低い(会社形態・肩書き)
世の中にある会社は、ほとんどが株式会社です。
合同会社は、年々増え続けているものの、まだ少数派です。
また、合同会社での肩書きは、代表取締役でなく「代表社員」、取締役でなく「業務執行社員」 となります。
■上場ができない
合同会社は、株式を発行できないため上場ができません。
上場して第三者の方から幅広く出資を受け事業の拡大を目指していく、といった会社には不向きなものとなります。
合同会社で有名なものって何があるの?
・西友
・アマゾン
・オグルヴィ
・アップルジャパン
・ユニバーサルミュージック
・デロイト トーマツ
・pwcコンサルティング etc…
外資系企業が多いですね。
合同会社の略称は(合)だよね?!
いいえ。(合)じゃありません。(同)なんです。
株式会社の場合、先頭の文字を取って(株)なので、よく間違われるところです。
会社の形態には、合資会社、合名会社というものがあります。
(合)にしてしまうと、どれなのかわからなくなってしまうため、二文字目を取って (同) となります。
合同会社は英語では何て呼ぶの?
会社によってバラバラです。 決まりは特にありません。
合同会社は元々、アメリカのLLC (Limited Liability Company) をモデルに導入されたので、「LLC」とつける。
例:Universal Music LLC
厳密にはアメリカのLLCと日本の合同会社は違うため、Goudo Kaisha の頭文字を取り「GK」とつける。
例:Amazon Japan G.K.
合同会社と株式会社、実際なにが決め手で選択した?
・最小限の負担で会社を手に入れたかった
→わかります。
・将来に渡って、家族経営を行う予定である
→いいと思います。
・代表取締役 という肩書きがほしかった
→わかります。
・取引先からの信用力かな
→信用力というのはよくわかりません。
合同会社は認知度が低いことは確かですが。
・将来第三者からの出資を募る予定なので
→いいと思います。
合同会社設立の全体の流れと実務ポイント
設立の手順は下記の通りとなります。
すべての会社には定款というものが必要です。
これを作成するために、商号、事業目的、代表者、資本金などを決めます。
商号が決まった段階で、法人印鑑を購入してください。実印は登記書類に、銀行印は設立後の口座開設に使用します。
※許認可事業を行う場合、事業目的に盛り込むため必ず確認してください。
1⃣で決めた基本情報をもとに登記申請書類を作成します。
色々な書類を作成しますが、印鑑証明書の取得、資本金の払込証明書の準備が手間です。
2⃣で作った書類を管轄の法務局へ提出します。
登記を申請した日が設立日となります。
提出すると、受付書がもらえます。
そこに書いてある登記完了日を確認してください。
受付書に書いてあった登記完了日に再度法務局へ向かいます。
登記完了日までに法務局から連絡がなければ無事設立されたことになります。(不備があると連絡が来ます。)
まず印鑑カードを取得し、印鑑証明書を取得できる状態にしておきましょう。その後、謄本(登記事項証明書)を取得します。
税務署や年金事務所等に設立届等の必要書類を提出します。
謄本に記載してある内容を転記するイメージです。
合同会社設立までの期間はどのくらい?
一般的に、3週間程度とお考え下さい。
合同会社は自分ひとりで設立できるの?
設立できます。しかし、おすすめしません。
理由はただひとつ、「手間がかかるから」です。
これから会社を設立しようとする方は、仕事や家事あるいは学業をされていることと思います。その隙間を縫って、登記申請書類の準備等や管轄の法務局へ行くことは容易ではありません。ましてや、一般の方であれば、知識も経験もない状態で行うのはかなりのストレスです。
最近では、「会社設立freee」や「MF 自分で会社設立」など自分ひとりで書類が作れる仕組みが出来上がっています。登記申請書類で一番のネックである電子定款の作成もこちらでできます。しかし、書類を作成することに重点を置いているので、会社の基本情報を決定する段階でのアドバイスがありません。
会社は設立して終わりではなくその後永久的に続いていくものです。会社設立後のことも踏まえて、設立手続きを行いましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
個人的には上場をお考えでない方は、合同会社で十分では?と思います。
あとは認知度や肩書きをどう考えるかですね。
実は私も最近、 会社を設立しました。
メリット・デメリットを比較して、結局、合同会社を選択しました。今のところ後悔はしておりません。
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